「私たちの幸せな時間」(2006年)観ました(;_:)

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人を救うのは国家や社会じゃないことはもちろん、思想や宗教でもない…結局は1対1の個人の関係なのだと静かに訴えている作品です


私たちの幸せな時間

  • 私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra)

  • 私たちの幸せな時間

  • 私たちの幸せな時間 オリジナル・サウンドトラック

  • 映画の冒頭大統領の理髪師 [DVD]のように、画面いっぱいに“この映画は現在の韓国の法体制を反映した作品ではありません”と赤字で説明が入ります
    それだけ内容にリアリティがあるということなのでしょう

    最初に映し出されるのは強盗殺人事件の凄惨な現場と、夜明けの道端に停めたの中でカーラジオから流れる明るい声の朝の挨拶を聞きながら睡眠薬自殺を図る元人気女性歌手・ユジョン(イ・ナヨンさん)の姿
    に担ぎ込まれて意識を取り戻したユジョンの元に駆けつけた母親は、泣き出したり心配する様子もないどころか「おじさんにまた迷惑をかけた」「自殺未遂を何度も繰り返して世間体が悪い」「お前を産むためにピアノを諦めたのに、産まなければよかった」と、自己保身と娘を責める言葉ばかり
    ユジョンは点滴をむしり取ると母親に「いっそ産まなければよかったじゃない」と反論します
    刑務所への慰問活動をしている、叔母のシスターモニカは「あなたに愛国歌(の国家)を歌ってほしいと言っている人がいる」と刑務所への慰問を頼みます。精神病院に送られるよりはマシかと渋々承諾したユジョン

    慰問の相手は強盗に入った家の少女を強姦・一家合計3人を殺して死刑が確定
    シスターが差し入れたにも全く関心を示そうとしない青年、チョン・ユンス(カン・ドンウォンさん)
    被害者の1人・家政婦さんの母親が面会に来て「どうして貧乏な家政婦だった私の娘を、殺す必要があったの」と怒りと悲しみをぶつけてしまう中、ずっと無表情で黙ったままだったユンスが泣いて怯えながら初めて許しを乞う言葉を叫び続けます
    「あんたは孤児なんだってね今日は許そうと思って来たはずなのに、ごめんね家から遠いからそんなに頻繁には来られないけど、元気で生きていてね」と語りかけて去って行きます
    この言葉だけで、充分“赦し”の意志を持っていますよね

    死刑囚は墓場まで秘密を持って行くって言ったから」と面会日でもない日にわざわざ訪ねて来て高校生の時、妻子がいる従兄に強姦された過去をユンスに告白するユジョン面会日に、告白を聞いた夜は眠れなかったと語るユンス
    次の面会に向かうの中「頭が痛いので入院したけどが美味しくない。柔らかめに炊かせたアワビのお粥を買って差し入れして」とだだっ子のような電話をかけて来た母親に「特別室のはご馳走のはず世の中には、手錠をしたまま冷たい食事を床に置いて食べる人だっている」と言うと、その足で母親が言っていたアワビのお粥を買ってユンスに差し入れます
    「私の母はちょっと頭が痛いと言っては入院するだけ」と言うユジョンに「こんなに美味しい物、初めて食べた弟にも食べさせたかった」と語り始めるユンス
    お粥が美味しい以上に、自分に温かい物を食べさせてくれたユジョンの気持ちが心を温めて解きほぐしているのでしょう
    ユンスの心の中を占めていた追想は、子供の頃預けられていた施設を兄弟2人で飛び出して母親の元へ訪ねて行ったけれど雪が降っている冬に遠路はるばる訪ねて来た子供達より新しい夫との生活を選んで家の扉を開けようともしなかった母親と、暗くて寒い夜道を歩きながら「元気が出るから愛国歌を歌って」とせがんでいた弟の姿
    ある日弟がユンスの手を引いて街頭の大画面に駆け寄ると、画面いっぱいに映し出されたユジョンが胸を張って威風堂々と愛国歌を歌う姿を見ながら「あの人の歌う愛国歌の中でも最高元気が出るよ」と感激していたと話します

    愛 国 歌

    一、東海に水結れ 白頭山野のたらむまで
      神保佑り給はむ 万歳が世を
    二、堅磐に老の松 鉄鎧へるや 
      四時に 自若るは 吾等が気象

    三、秋の夜 空澄みて果てしなく 
      明鏡に映えたる わが一片丹心

    四、この気象、丹心直と忠たり
      歓楽に 苦哀に 国こそ愛しけれ
    繰り返し:
    無窮花 三千里
    華麗の江山
    大韓人 大いなれ
    長久に保全えむ

    (引用元:韓国文化院サイト音声メニューあり)


    「韓タメ!DX30分版」2/15放送分の韓タメ!劇場「漢字で書けない(日本語と間違えやすい)韓国語をオヤジギャグで覚えるコーナー」で水野先生が解説していた時にその場面を見た時も涙腺が緩みかけましたが、本編は…号泣
    弟をに連れて行こうとの中で弟が目が見えないふりをしての物乞いをしていましたが「ナイキのスニーカーが欲しい」と無邪気に話していた弟と2人ヤクザに囲まれて金を奪われた上、袋叩きにされてしまいます
    新聞紙を布団代わりに地下道で寝ながら愛国歌をせがんでいた弟に「静かに寝ろ」と言った翌朝、ユンスが目を覚ますと弟は息を引き取っていましたユジョンの告白を聞いた夜、眠れなかったと苦しみを分かち合ってくれたユンスの「あちこち行ってみたかった」という希望を少しでも叶えようと、韓国中をで走り回って雪の積もった山や自分が歩いた足跡をつけた波打ち際の景色・ショーケースに入った色とりどりのと珍しい物の数々をポラロイドカメラで撮影するユジョン
    多分本人は気づいていないと思いますが、ユジョン自身も「ユンスのためにいろいろなことができる自分」に生きる力や目的・喜びを取り戻しているのでしょう

    ユジョンが持って来た写真を喜びながら「自分には、こんなことをしてもらう資格がない」と苦しむユンス
    美容師の恋人と貧しいけれど幸せな生活をしていたけど、彼女が子宮外妊娠で緊急手術が必要になった時、昔の悪い仲間に貸した貯金を踏み倒された上に手術費用を作るために兄貴分と一緒に借金のカタに女の子を売り飛ばすような高利貸しのおばさんの家に泥棒に入る手伝いをするように言われます
    手術費用に必要なお金だけ盗んで帰るはずだったのに、兄貴分がその家の少女を強姦した後おばさんと一緒に殺して、たまたまそこに帰って来てしまった家政婦さんを殺すように指示…動揺と恐怖感から、家政婦さんを刺し殺してしまったユンス
    ユンスにとって周囲の人間は自分を苦しめたり背を向けるか、利用するだけだったから死刑になることも何とも思わなかったはずなのに殺される必要がなかったはずの娘を殺した犯人を怒りや悲しみの中許そうとする家政婦さんのお母さんや、自分が強姦された苦しみを眠れないほど悩んでくれたからというだけで見たこともないような美味しい食べ物を差し入れたり、韓国中を走り回ってポラロイド写真を撮影してくれたユジョンの心に触れてようやく自分自身が生きている実感を知ったのではないかと思います
    事件の真実を知ったユジョンは検事の兄に事件の再調査や再審請求を頼むだけでなく、ユンスに罪をかぶせて自分だけ助かろうとしているような主犯の男に頭を下げてまでユンスの命を助けようとします
    「もうすぐ誕生日だから、ナイキのスニーカーがほしい」と言っていたユンスが誕生日を待たずに死刑執行されることが決まったと知ったユジョンは、母親が入院している病室に行くと自分が強姦された時に慰めるどころか体の痛みを訴える娘に「油断していたからだ」と責めて心にまで痛みを与えたことに罪悪感どころか何の反応も示さない母親に「もしお母さんを許すことでユンスさんの命が助かるなら、お母さんを許してもいいだから死なないで」と言います
    でも結局、ユンスの死刑は執行されます
    最期の瞬間カーテンで遮られた中で、ユンスは愛国歌を歌い「愛国歌を歌ったのに怖いお姉さん、助けて」とユジョンに助けを求める言葉を叫びます
    実はユンスにとって本当の“救い”は、子供の時から誰にも言うことができなかった「助けて」という一言だったのではないかと思いましたユンスも弟も、愛国歌そのものではなくて自分のために歌を歌ってくれる愛情を渇望していたのだと思います

    最後、ユンスのいた部屋を片づける刑務官達。壁にはユジョンが撮影したポラロイド写真の数々が残っていて、ショーケースの中のを撮影しているユジョンの笑顔がショーウィンドーに映っている写真がクローズアップされて、写真の空白部分にはユンスが書き残した“面会日が私たちの幸せな時間”の言葉
    ユンスやユジョンのお母さんが、家政婦さんの母親のように愛情深い人だったら“面会日が私たちの幸せな時間”になったりせずに済んだはずなのに…とやりきれなさで心が切り裂かれるように痛かったです

    生き生きとした笑顔で写真を撮影しているユジョンの気持ちがうれしかった他にの写真だったことで、貧しさが原因で死刑になったユンスの“物理的な飢え”だけでなく誰かに愛されたいし、愛したいと切実に願っていたユジョンの“心の中の飢え”を表現していたのでしょうか

    唯一の救いは…ユンスとの出会いで生きながら死んでいたユジョンが、本当の意味での生きる力を取り戻せたこと
    おそらくユジョンは自殺未遂の繰り返しをやめて、ユンスの分まで生きようと考えを変えたのではないかと思ったのは私が日本人だからでしょうか

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    関連タグ : 私たちの幸せな時間, 強盗殺人事件, 自殺未遂, 愛国歌, 死刑, 慰問, 被害者, 家政婦, 面会,

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